Fundsが、第1回のファンド募集を開始しました。
総額8,000万円以上の募集だったにもかかわらず、募集開始から瞬殺と思えるような時間で、募集総額に到達しました。
そこで、3件同時募集の中の1件、「アイフルビジネスローンファンド#1」について、その内容を確認しましょう。
fundsは投資対象となるかどうかが、何となくでも見えてくるでしょう。
最初に、fundsの仕組みを簡単におさらいしましょう。ソーシャルレンディングのようで、ソーシャルレンディングとは少し違います。
fundsは、ファンドを作る場所を提供しています。資金を借りたい企業のグループ企業が、ファンドを作ります。そして、投資家から資金を集めて、資金を借りたい企業に貸す仕組みです。
ソーシャルレンディングの仕組み上、お金を借りる会社の情報を公開できません。しかし、ファンドを作った会社の情報は提供できます。
お金を借りる企業は、ファンドを作った企業のグループ企業です。よって、ファンド組成会社を見れば、だれが借りるのかが分かるという仕組みです。
投資家にとって、だれがお金を借りるのかが分かります。とても良い仕組みです。
今回のファンド組成会社は、アイフルです。東証1部に上場している企業です。すなわち、資金を借りる企業は、アイフルのグループ会社だということになります。
アイフルの今回の募集額は、5,000万円です。この資金を借りるのは、下の2社です。
借り手1(A社)
本社所在地 | 東京都港区 |
---|---|
設立 | 2001年1月18日 |
資本金 | 1億円 |
上場・未上場 | 未上場 |
特記事項 | アイフル社の連結子会社 |
借り手2(B社)
本社所在地 | 東京都港区 |
---|---|
設立 | 1994年7月1日 |
資本金 | 8,000万円 |
上場・未上場 | 未上場 |
特記事項 | アイフル社の100%子会社 |
監督官庁の指導により、ソーシャルレンディングは、ファンド形式となっています。すなわち、資金の借り手は2社以上です。
よって、今回の募集で資金を借りるのは2社です。借りたお金を返してくれるか確認するため、両社ともチェックが必要か?ですが、1社だけで大丈夫でしょう。
と言いますのは、この2社が借りる金額割合は、以下の通りだからです。
A社:99.9%以上
B社:0.1%以下
監督官庁の指導に従うために、B社を追加しているのでしょう。A社だけ見ればOKという話になります。
資金の借り手情報を調べると、どの会社が借りるのかが分かります。A社は、2001年1月18日に設立されています。
アイフルの子会社で2001年1月18日に設立されたのは、ビジネクスト株式会社です。
同日に設立された他の子会社があるかもしれません。しかし、fundsには、A社は資本金1億円で、ビジネスローン事業を手掛ける連結子会社だと明記してあります。
よって、資金を借りるのは、ビジネクスト株式会社だと予想できます。
借り手の企業の予想ができましたので、ビジネクスト社の財務諸表を確認してみましょう。
お金を返してくれるかどうかを考えるために、財務諸表分析は必須です。しかし、有力なデータがありませんでした。
ビジネクスト社のホームページでは、財務諸表を公開していないようです。そして、fundsで公開されている財務諸表は、あまりに簡潔すぎて分析の役に立ちません。
では、財務諸表分析はできないか?となりますが、fundsは、一般的なソーシャルレンディングと違います。
資金を借りる会社のグループ会社が、ファンドを作っています。今回の場合で言えば、ファンドを作っているのはアイフルです。
そこで、アイフルの財務諸表を読めば、おおよその状態を予想できるということになります。
企業に資金を貸す場合、財務諸表を読む力が必要です。これがないと、貸したお金が確実に返済されるかどうか判定できません。
その確実度に応じて、金利が適切かどうかを考えます。返済の確実度が高ければ、金利は低いです。確実度に不安があれば、金利は高くなります。
しかし、一般の人々は、財務諸表を読む能力を持っているわけではありません。レアな技能です。そこで、fundsでは、分かりやすい情報を提供してくれています。
それは、アイフルが発行した社債の条件です。
今回の募集で資金を借りるのは、アイフル本体ではなく子会社です。また、社債でなくソーシャルレンディングです。よって、同一視できないのですが、財務諸表を読む代わりとして、一定程度利用可能でしょう。
第60回無担保社債条件:
発行日 :2018年9月25日
期間 :2.5年
利率 :年1.80%
発行額 :50億円
額面 :1億円
そして、今回の募集条件は、以下の通りです。
期間 :12か月
担保 :なし(無担保)
利率 :年1.8%
募集額 :5千万円
投資額 :1円から可能
資金を借りるA社とアイフルを同一視することはできないでしょう。しかし、A社はアイフルの子会社であることを考えると、受入可能な条件なのでは?と予想できます。
あとは、1年以内にA社がデフォルトを起こす可能性を考えつつ、投資判断をします。
fundsの特徴は、借り手はだれか?を中心に考えられることです。
一般的なソーシャルレンディングの場合、借り手は不明です。そこで、利率や担保の有無で判断せざるを得ません。この点で、fundsはとても有効だと判断できます。
最後に、募集開始後すぐに満員御礼となったこのファンドに、どのような人が応募したのかを確認しましょう。
これを考えるための情報は、わずかしかありません。5千万円の募集に対して、208人が応募できたという情報だけです。
一人当たりの金額にしますと、24万円くらいです。
実際には、大きな額をドカンと投入する人が複数いて、多くの人は小口の投資だと予想できます。そして、大きな額を投入した人のおかげで、平均額が高くなります。
これを考慮しますと、平均額は24万円ですが、10万円前後くらいを投入した人が多いのでは?と予想できます。
Fundsでは、今後も案件の募集が続きます。確実に返済してくれそうだという企業を見つけて投資を検討しましょう。