一般的に、ソーシャルレンディングは、不動産を担保にする融資が多く見られます。そして、事業範囲は日本国内の場合が多いです。
しかし、クラウドクレジット(Crowd Credit)は、海外で資金を貸しています。また、事業分野(資金を貸している対象)が、特徴的です。会社の事業方針が色濃く反映しています。
貸付対象がとても広いことが分かります。その中でも、一般的とは言えなさそうな投資先があります。「マイクロファイナンス機関向けローン」と「延滞債権投資」です。この2つの内容を確認しましょう。
マイクロファイナンス機関とは、低所得者層に対して少額の融資をする機関です。貧しい人々の生活を支えたり、彼らが何かビジネスを始める際の資金として利用されたりします。
クラウドクレジットの案件では、「ペルーマイクロファイナンス支援ファンド」「マイクロファイナンスファンド」などが該当します。
私たちは、投資収益を得るためにお金を出します。しかし、そのお金が、低所得者層の生活改善に役立てられています。お金を稼ぐだけでなく、世界の誰かに貢献できているという満足感を得ることもできます。
延滞債権投資は、延滞債権を大幅に割安な価格で銀行から購入し、その購入額よりも大きな金額を回収することによって利益をあげる投資です。この事業は、関係者全員にとってメリットがあります。
銀行のメリット
延滞債権ですから、貸し付けた資金を回収できなくて困っています。そのままでは大幅な損失になってしまいます。
そこで、資金を全額回収できる場合に比べれば損失だけれど、何もしないよりはお金になる選択肢として、延滞債権を第三者に売却します。
債務者のメリット
借金を返済したくてもできない状態です。このままではブラックリスト掲載が確実で、次にお金を借りることができなくなってしまいます。
しかし、延滞債権として売却された後だったら、返済額の減額が可能になります。そして、減額後の債務を返済することによって、信用状態のダメージを緩和できます。
事業者(および私たち)のメリット
延滞債権を安く買うことによって、資金を回収できなくて困っている銀行と、資金を返済できなくて困っている債務者の両方を助けることができます。
かつ、この事業に資金を出すことによって、儲けることもできます。関係者が最悪の事態になるのを避けるお手伝いをしながら、稼げます。
では、クラウドクレジットがマイクロファイナンス等の事業に注力する理由は、何でしょうか。
クラウドクレジットの案件を見ますと、個人向けローンや事業者向けローンなど、「普通」の案件が多数あります。そして、それと並んで、利益だけでなく社会の効用を高めようという案件も多数あることが分かります。
クラウドクレジットのホームページを見ますと、下の単語が何度も使われています。
社会インパクト投資とは、社会的課題(貧困層支援や教育問題など)の解決に資する領域に投資し、経済的なリターンと社会的なリターンの両立を実現する投資手法を言います。
SGDsとは、世界に存在する諸問題を解決し、持続可能な社会を達成するための取り組みです。2015年に国連で採択された考え方です。
下の絵は、国連広報センターからの引用です。全部で17の分野があることが分かります。
クラウドクレジットは、上の17分野のうち、少なくとも下の4分野で活動しています。
下の動画は、クラウドクレジットからの引用です。お金を稼ぐのはもちろんですが、世界の人々に貢献できていることに焦点を当てています(下の動画は音が出ます)。
お金で貢献する場合、寄付という選択肢があります。しかし、日々働きながら収入を得ている私たちにとって、寄付はハードルが高いです。それは事実でしょう。老後資金や、病気等で働けなくなる場合に備えた貯蓄が必要だからです。
この点、クラウドクレジットで投資しますと、お金を出した私たちは儲かり、お金を借りた人々の生活水準が上がり、事業を運営しているクラウドクレジットも儲かります。
全員がハッピーになれるという投資です。
もちろん、いつもうまくいくわけではありません。お金を借りた人が返済できなければ、私たちの投資は損してしまうかもしれません。
そこで、クラウドクレジットで投資する場合の成績を確認しましょう。
では、クラウドクレジットで投資すると、どれくらいのリスクがあるでしょうか。そして、どれくらいの収入を見込めるでしょうか。
下の画像は、2018年7月時点の成績です。償還済みファンド数は111、償還時元本割れが8件あると表示されています。これが、クラウドクレジットのホームページのトップ画面に掲載されています。
元本割れ等の表示は、できればしたくないのが人情です。しかし、クラウドクレジットにとってマイナスになるだろう情報も、ホームページのトップ画面に大きく掲載しています。
マイナス情報でも積極的に開示できる会社は、信頼度が高いです。
そして、下は、顧客全体の損益状況です(2018年6月時点)。
元本割れが出ているのは事実ですが、全体から見てわずかであることが分かります。利回りの平均値は6.1%となっています。
今後もこの成績が継続するならば、適切に分散投資することによって、自己資金が大きくなることが期待できます。
クラウドクレジットでは、1万円から投資することができます。よって、自己資金が10万円くらいであっても、10件の投資先で運用できます。
利回りが10%を超えるような魅力的な案件もありますが、元本割れになってしまってはいけません。そこで、分散投資で安全度を高めましょう。
企業情報
社名 | クラウドクレジット株式会社 |
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本社所在地 | 〒103-0025 東京都中央区日本橋茅場町1-8-1 茅場町一丁目平和ビル802 |
事業内容 | 金融業 |
設立 | 2013年1月 |
出資企業 | 伊藤忠商事株式会社、三菱UFJキャピタル株式会社 他 |
免許・登録 | 第二種金融商品取引業 |
加入団体 | (一社)第二種金融商品取引業協会 |