SBIソーシャルレンディングは、貸し倒れや倒産リスクが低く、安全度が比較的高いと考えられます。その理由を考察しましょう。
SBIソーシャルレンディングの特徴で最も注目できるのは、「SBI」の名前を使っていることです。すなわち、SBIソーシャルレンディングは、SBIグループ企業の一つです。
ソーシャルレンディングで私たちが気を付けたいリスクは、資金を借りた人が返済しない貸し倒れリスクと、ソーシャルレンディング事業者の倒産リスクです。SBIソーシャルレンディングならば、倒産リスクが低いのでは?と期待できます。
2大リスクのうちの1つを大きく緩和できるのですから、とてもメリットが大きいです。
SBIグループから見れば、SBIソーシャルレンディングはグループ企業の1つに過ぎないかもしれません。
ここで、仮にSBIソーシャルレンディングが経営難に陥り、SBIグループ企業の支援を得られずに倒産してしまうとしましょう。
この場合、他のSBIグループ企業に与える悪影響は大きいでしょう。もしかして、他のグループ企業も倒産するかも?と連想できてしまうからです。私たちは、SBIグループ企業への警戒感を高めるでしょう。
すると、SBIグループ全体の経営にも影響してしまいます。
そうならないよう、SBIグループ企業は、SBIソーシャルレンディングに対して様々な支援をすると期待できます。その分だけ、他のソーシャルレンディング事業者よりも安全度が高いと期待できます。
他のソーシャルレンディング事業者とSBIソーシャルレンディングで、同じ利率で同じような内容の投資案件があるとしましょう。
この場合、SBIソーシャルレンディング案件のリスクの方が低くて有利だ、という判定が可能です。
SBIソーシャルレンディングは、自社の貸借対照表と、ファンド運用実績の両方を公開しています。
SBIソーシャルレンディングは、株式を公開していません。よって、貸借対照表を公開する義務はないのですが、ある程度詳しく把握できる貸借対照表を公開しています。
下は、SBIソーシャルレンディングホームページからの引用です。直近だけでなく、長期間にわたる財務諸表を公開しています。財務諸表を読める人ならば、SBIソーシャルレンディングの経営状況をざっくりと把握できます。
いきなり倒産する可能性はあるのかないのか、経営は順調なのかどうか、財務諸表である程度読むことができるので、メリットが大きいです。
財務諸表は、SBIソーシャルレンディングの企業としての成績です。そして、ファンドの運用実績も、私たちにとって重要です。こちらも、ホームページで公開されています。
下のグラフは、公開情報の一部を引用したものです。
何人が投資家として登録しているのか、融資残高、予定年間利回り、SBIソーシャルレンディングが受け取る管理手数料の割合など、グラフで詳しく表示されています。
また、個別の案件ごとに、何人(何社)の借り手がいて、いくら貸して、返済状況はどうなっているのか、という数字も公開されています。
SBIソーシャルレンディングの投資案件は、3つの特徴があります。
1万円から投資可能ですが、実際に投資する際には、1万円よりも大きな金額になることが多いでしょう。と言いますのは、年利回り3.2%の案件に1万円投資すると、税引前利益は1年あたり320円になるためです。
預貯金の利率よりは大きい数字ですが、寂しいです。
あるいは、1案件1万円として、数多くの案件に投資するという方法が使えるかもしれません。この場合、分散投資の効果を得られます。
予定年利は、預貯金よりも桁違いに大きいです。そこで、10%の案件に集中投資したくなります。しかし、利率が高いということは、その分返済されないリスクも高いということです。
一方、利率が低ければ安全度が高い、と断定することもできません。
そこで、担保をどのようにとっているか(担保があるかどうか、抵当順位はどうなっているか)についても確認しながら投資案件を決めましょう。
ある月の8日から翌月7日までの期間に、借手が支払った貸付けの元本及び利息を、翌月15日に受け取ることができます。
すなわち、出資金の償還及び利益の分配を毎月得ることができます。
下の画像は、「SBISLカンボジア技能実習生支援ローンファンド」の説明部分からの抜出です。担保がないこと、リスクが高いことが目立つように書いてあります。
このファンドは、予定年間利回りが10.0%です。とても高い数字ですが、それに合わせてリスクも高いということになります。
リスクが高い案件については、リスクが高いことを明示し、読者が読み飛ばしてしまわないように協調している点につき、高く評価できます。
以上の概観より、リスクを完全にゼロにすることはできません。しかし、できるだけリスクを低くしたいと考える場合、SBIソーシャルレンディングが有力な候補になることがわかります。
企業情報
商号 | SBIソーシャルレンディング株式会社 |
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本社所在地 | 東京都港区六本木1-6-1 泉ガーデンタワー13F |
事業内容 | ソーシャルレンディングサービスにおける出資募集業務、貸金業務 |
設立 | 平成20年1月24日 |
株主 | SBI FinTech Solutions株式会社(100%) |
免許・登録 | 第二種金融商品取引業、貸金業 |
加入団体 | (一社)第二種金融商品取引業協会、日本貸金業協会 |