デフォルトという言葉は、ソーシャルレンディングの世界でも使われます。しかし、一般的に使われる場合と比べますと、意味が少し異なります。
そこで、ソーシャルレンディングの世界での、デフォルトの意味を確認しましょう。
デフォルトとは、債務が約束通りに返済されないことを言います。世界的に影響が大きいのは、国家のデフォルトです。
国家は、国債を発行して多くの人から資金を借りています。そして、約束の期日に約束の金額を支払えなくなったら、デフォルトです。
その後、何とか資金を工面しても、あるいは、返済条件を変えて返済を再開しても、デフォルトには変わりありません。
デフォルトを繰り返しているという意味で有名なのは、アルゼンチンです。もうすぐで10回に到達しようかというほど、デフォルトを繰り返しています。
以上の通り、一般的には債務が返済されないことをデフォルトと言います。よって、株式会社が配当をゼロ円にしたり、倒産して株式の価値が0円になってしまったりする場合は、デフォルトと呼びません。
株式や配当は、債権・債務の関係ではないからです。
一方、ソーシャルレンディングの世界では、支払いが遅れたら即デフォルトと呼ぶわけではありません。
例えば、SBIソーシャルレンディングでは、以下の表現を使い分けています。
延滞中の貸付元本とは、約束の期日に約束の金額が返済されなかった場合に使います。ただし、債務者は依然として返済の意思を示しているかもしれませんし、頑張れば返済可能かもしれません。
すなわち、約束は破られたけれども、返済されないことが決まったわけではない、という状態を指します。
一方、デフォルトした貸付元本という場合は、どう頑張っても返済されない場合を言います。
例えば、返済されないので担保不動産を売却したとしましょう。売却によって資金を回収しますが、貸し付けた額よりは少ないとします。
担保に取っている不動産等がまだあれば、その不動産を売却できます。しかし、すべて売りつくしたならば、資金を回収する手段はもうありません。
このように、回収不可能なことが確定した場合に、デフォルトといいます。
この債務の履行状態は、私たちがソーシャルレンディングに投資するかどうかを考える際に、とても重要な情報になります。
特定のプログラムで債務不履行が多いかどうか、債務不履行になった場合でも、元本が返ってきたのかどうか、投資前に確認したいでしょう。
債務不履行の件数が少なければ、ソーシャルレンディング事業者は優秀だと言えます。
債務不履行件数が多いならば、ソーシャルレンディング事業者の業者選定が良くないのかもしれません。あるいは、債務不履行件数が多いことがあらかじめわかっているプログラムだという可能性もあります。
検討した結果、優秀な成績だと分かれば、安心して資金を貸すことができます。
よって、デフォルトのデータを広く一般に公開しているソーシャルレンディング事業者で、投資を検討したいです。
下の画像は、SBIソーシャルレンディングからの引用です。SBIソーシャルレンディングは、ファンド一つ一つについて、返済状況を明示しています。
赤枠で囲った部分は、デフォルトになった件数と金額です。大半が件数0なのですが、稀にデフォルトが発生していることが分かります。
よって、有利に見える案件でも、資金を分散して投資することが大切だと分かります。
SBIソーシャルレンディングは、資金返済状況を一般に公開しています。よって、信頼度が高い事業者だといえるでしょう。