優先出資と劣後出資-不動産投資クラウドファンディングにおける出資元本の安全性

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不動産クラウドファンディングの仕組みの中に、「優先出資(ゆうせんしゅっし)」と「劣後出資(れつごしゅっし)」があります。

この二つの意味を知っているのと知らないのでは、投資に対する姿勢や安心感が大きく変わってきます。そこで、この二つの意味を理解しましょう。

優先出資

ソーシャルレンディングや不動産クラウドファンディングに参加するには、事業者と匿名組合契約を結びます。何やら難しい言葉ですが、お金が動く話ですので、法律が定めた基準に従って投資が行われるということです。

匿名組合の詳細につきましては、別記事「ソーシャルレンディングとは」内の見出し「匿名組合とは」でご確認ください。

私たち投資家は、匿名組合契約に基づき、資金を出します。

そして、この資金がどのように扱われるかによって、優先出資と劣後出資の区別が出てきます。

優先出資とは、「劣後出資に比べて、優先的に利益を受け取れる」という意味です。さらに、もう一つあります。「劣後出資に比べて、優先的に損失を回避できる」です。

優先出資をすると、特別に有利だと分かります。なぜなら、利益は先にもらえるし、損失は後回しになるからです。

ちなみに、優先出資者同士については、どちらが有利・不利ということはありません。どちらも同じ位置づけです。

劣後出資

優先出資の説明で、既に劣後出資が出てきました。劣後とは、「劣る」「後回しににする」という意味です。

よって、劣後出資とは、「優先出資者が先に利益を受け取り、残額があれば、利益を受け取れる」という意味です。さらに、もう一つあります。「優先出資に比べて、先に損失をかぶる」です。

劣後出資は、全く面白くない条件だと分かります。

ちなみに、劣後出資者同士については、どちらが有利・不利ということはありません。どちらも同じ位置づけです。

不動産クラウドファンディングで優先出資

不動産クラウドファンディングの世界では、私たち投資家は優先出資者として投資が可能です。

当サイトでは、以下の2つの業者を紹介しています。

優先出資と劣後出資における出資元本の安全性は、下の絵の通りです(FANTAS fundingの例)。どう見ても、優先出資の方が有利です。

ファンタス 出資元本の安全性

この2社の特徴を簡潔にご案内しますと、以下の通りです。

CREAL:

ホテル、病院、保育園など、比較的規模の大きい物件を取り扱います。大型物件の投資期間は、概ね1年間です。

不動産を扱う機関投資家は、病院や保育園を敬遠しがちです。しかし、現代から将来の日本を見据えると、病院・保育園等はとても重要です。不動産投資を通じて、将来の日本の発展に貢献できます。

FANTAS funding:

空き家をリノベーションして売却します。1件当たりの金額は小さめで、投資期間は半年程度以内です。

人口の減少とともに、日本では空き家問題が注目を集めています。管理が不十分で放置されてしまう前に、価値ある物件に再生して空き家問題の解決に寄与します。

私たち投資家は、優先出資者としてこれら2社の不動産投資に参加できます。

不動産投資クラウドファンディングとソーシャルレンディングを比較

一般的なソーシャルレンディングは、参加者全員が同じ権利義務を持っています。また、ソーシャルレンディング事業者自身が出資するわけではありません。

このため、ある貸付案件でデフォルト等が発生すれば、投資家は直ちに損失を被ることになります。

一方、不動産投資クラウドファンディングで優先出資する場合、事業が期待通りに進まなくても、直ちに損失になるわけではありません。

CREALやFANTAS fundingが、劣後出資しています。まず、劣後出資分から損失を負担します。私たち投資家は、そのあとに損失を負担します。

劣後出資分で損失をまかなえれば、私たちの損失はありません。

また、CREALやFANTAS fundingは、資金を募集している事業者です。彼ら自身が、劣後出資として参加しています。すなわち、何が何でも損したくないと思うでしょう。

よって、結果として損する場合はあるとしても、「募集前から怪しいと分かる変な案件」で資金募集される可能性は、とても低いでしょう。

怪しい案件で事業を開始したら、事業者が損してしまうかもしれないからです。

優先出資と劣後出資の仕組みにより、優先出資は有利だというメリットがあります。さらに、事業者が劣後出資ですから、事業者は確実度が高い案件だけを提供するだろう、という安心感を得られます。

よって、不動産投資クラウドファンディングで優先出資するのは、とても魅力的です。