クラウドクレジットで為替変動リスクをどの程度見込むべきか

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クラウドクレジットでソーシャルレンディング投資をする場合、投資先は主に海外案件になります。

クラウドクレジットの案件を見ますと、私たち投資家が儲かれば良いという案件ではなく、私たちが儲かると同時に、お金を借りる人も幸せになってほしいという内容が多数です。

そこで、クラウドクレジットの案件に投資したくなります。

しかし、海外案件ということは、円でなくドルなど外貨で運用することになります。ドルでは利益になっているけれど、円高の影響で、円に交換してみたら損してしまったとなっては残念です。

そこで、為替変動リスクをどの程度考えれば良いのか、過去の為替レート推移から考察します。

米ドル/円の長期推移

世界で最も流通している通貨は、米ドルです。そこで、米ドル/円の長期推移で確認しましょう。下のチャートはセントラル短資FXからの引用です。

米ドル/円チャート

チャートを縮小していますので、数字が少し見づらくなっています。そこで、下に転記します。

すなわち、2007年の高値と2011年の円高記録を比較しますと、為替レートはおよそ6割の水準まで落ち込みました。そして、2011年安値と2015年高値を比較しますと、66%上昇しています。

2011年に海外案件投資を始めたとすると、クラウドクレジットの案件から利益をもらうと同時に、為替差益を得ることができました。二重においしいです。

しかし、2007年から始めたとすると、案件から得られる利益よりも、為替差損の方が大きくて損してしまうかもしれません。

クラウドクレジットの案件は、投資期間が1年間から数年間くらいが多いです。このため、為替変動を無視することができません。

そこで、為替変動の実績について、もう少し詳しく確認しましょう。

米ドル/円の年間の値動き

クラウドクレジットでは、次から次へと新案件が出てきます。このため、投資開始時期を比較的自由に決められます。

ここでは、毎年1月初日に投資を始め、年末最後に円に戻すという取引を考えます。

2007年から2017年まで、毎年初日に米ドルを買い、年末に円に戻すとした場合の、為替変動をまとめました。なお、ここでは為替手数料を考慮していません(為替レートのデータは、セントラル短資FXから引用)。

始値 終値 変動率
2007 119.060 111.710 -6.2%
2008 111.710 90.770 -18.7%
2009 90.830 93.080 2.5%
2010 92.990 81.130 -12.8%
2011 81.210 76.900 -5.3%
2012 76.940 86.759 12.8%
2013 86.704 105.286 21.4%
2014 105.303 119.790 13.8%
2015 119.731 120.195 0.4%
2016 120.110 116.959 -2.6%
2017 117.421 112.674 -4.0%
米ドル/円の為替変動率グラフ

クラウドクレジットでは、年利回りが10%を超える案件がいくつもあります。そこで、為替レート変動で損する年があるとしても、差し引きでプラスにできる年が多そうだと期待できます。

もちろん、円安で推移する場合は、為替差益が大きくなります。

なお、2008年にとんでもない大きさで円高になっています。これは、リーマンショックの影響が大きいです。この時は、18.7%も円高になっています。

クラウドクレジットの案件は利回りが高いとはいえ、100年に1度の惨事と言われたリーマンショックのような事態になると、損失になると分かります。

では、以上の結果から、どのように投資すれば良いのかを考察します。

円高になっていないときに投資

将来円高になるか、それとも円安になるか。それは、誰にもわかりません。分かるとするなら、クラウドクレジットの案件で投資するよりも、FXでしっかり稼いだ方が良いでしょう。

そこで、相場を読むことはできないという前提を置きます。

しかし、分かることもあります。それは、過去の値動きです。もう一度、長期チャートを確認しましょう。

米ドル/円チャート

2007年に円安の頂点をつけて、2011年まで継続的に円高になっています。そして、2012年以降、2015年まで継続的に円安になっています。それ以降は、どっちつかずの動きになっています。

ということは、「チャートを見た印象が円高になっているな」というときには、投資を見送れば良いということになります。

円高のときは取引しない

例えば、2007年の時点で、これから円高になると判断するのは難しいかもしれません。しかし、2008年~2011年だったら、今は円高っぽい雰囲気だと分かるでしょう。

この期間の為替変動を、数字でもう一度確認しましょう。

2009年は円安という結果になっていますが、その他の年は大幅円高です。

2007年の時点で円高だと判断するのは難しいでしょう。よって、実際に投資していれば、6.2%分の損になります。投資案件自体の利回りの大きさでカバーします。

しかし、2008年以降は、投資を回避できますので、為替差損を回避できます。

よって、長期チャートの形をざっくりと確認して、その時の印象で取引をやめても、意外に適切な投資ができそうです。

円高でない時に取引する

逆に、円安の場合や、どっちつかずの場合には、積極的に投資できます。

上のチャートを見ますと、2012年の段階では円安に確信が持てないかもしれません。しかし、2013年の半ばになると、円安だと分かるでしょう。そこで、2013年半ば以降に取引を始めるとします。

2013年は途中から取引を始めますので、21.4%の為替差益全体をもらえるわけではありません。しかし、為替差益を見込めるでしょう。

2016年と2017年は、少し円高になっています。しかし、いつも完璧に為替レートを予測できませんから、このくらいの損は許容するほかないでしょう(完璧に予測できる場合は、FXをした方が有利です)。

2016年や2017年のように円高になる場合は、クラウドクレジットの高利回り案件でカバーすることになります。

以上のような、ざっくりとした投資方針を採用するだけでも、2008年や2010年の大幅円高を回避できると分かります。

ただし、突然やってくるような円高は、予想したくてもできません。このときは、事故だったとあきらめて、別の案件でカバーする必要があります。

突然の事故のような円高で大幅損失にならないようにするためにも、1案件に対する投資額は小さくするとともに、国内案件にも投資して幅広い分野から収入を得る必要があります。

次のページでは、ソーシャルレンディングの資金管理について検討します。