どのような投資にも、大損するパターンがあります。そこで、ソーシャルレンディングの大損について確認しましょう。
大損のパターンが分かれば、それを回避する方法が見えてきます。
ソーシャルレンディングの仕組み図をご覧ください。これを見ると、大損になるのは大きく見て2通りだと分かります。
すなわち、資金の借り手が借金を返済しない場合と、ソーシャルレンディング事業者が経営破綻する場合です。
ソーシャルレンディングに限らず、どの投資分野でも同様でしょう。自分の投資を手伝ってくれている業者が経営破綻してしまえば、何らかの損害を受けてしまいます。
しかし、株式・FX・ソーシャルレンディングを比較すると、投資家保護のレベルは大きく異なります。
自分が口座を持っている証券会社が経営破綻しても、自分が持っている株式は安全です(ただし、経営破綻した証券会社の株価はゼロ円になります)。
私たちは、証券会社経由で株式を売買します。しかし、株式の保管そのものは「ほふり(証券保管振替機構)」で管理しています。
証券会社の経営とは別になっています。
FX業者は、顧客から預かった資産を自社で管理しません。信託銀行で管理します。これにより、仮にFX業者が経営破綻しても、顧客の資産は全額保護されます。
1億円預けていても、全額保護です。ただし、トレードで損した金額は保護されません。
ソーシャルレンディング事業者は、自社の資産と顧客の資産を分別管理します。分別管理とは、自社資産と顧客資産を別々の銀行口座で管理する、という意味です。
これは、信託銀行で管理する場合に比べて、顧客資産の保護は弱いです。
と言いますのは、事業者が経営破綻する場合、顧客資産が顧客に全額返還されるとは限らないからです。事業者が経営破綻したときの状態次第で、分配される金額が変わってきます。
事業者が経営破綻しても、大損したくありません。そこで、対策は主に2つになるでしょう。
私たち投資家は、ソーシャルレンディング事業者の経営状態を細かく把握するわけではありません。そこで、実績や企業規模などで、事業者の安全度を考えます。
この視点で見ると、SBIソーシャルレンディングは有力な候補です。SBIのグループ企業だからです。
独立系の新規事業者に比べると、安全度が高いと期待できます。
1つの事業者にすべての資金を入金するのではなく、信頼度が高いと考える複数の事業者で投資します。
こうすれば、1社の経営破綻で全資産が傷つくという事態を避けられます。
次に、資金の借り手が返済せず、大損になってしまう場合を検討しましょう。
私たちは、だれが資金を借りているのか分かりません。これは、ソーシャルレンディング事業者が意地悪で情報を隠しているのではなく、法律の運用でそのように決められているからです。
このため、資金を借りた会社、そして、その会社に資金を貸すと決めたソーシャルレンディング事業者を信頼するしかありません。
しかし、何の情報もなく信頼するというのは、居心地の良いものではありません。
資金の借り手に起因する大損回避の方法も、いくつかあります。
ソーシャルレンディング事業者が資金を貸す際、担保を確保する場合があります。借金が返済されなければ、担保を換金します。よって、担保は、私たちの資産を守るためにとても有力です。
ただし、担保評価額と同じくらいの金額を貸している場合は、注意が必要です。その担保を現金化しても、投資資金全額の返還は難しいかもしれません。
と言いますのは、投資家に資金を返還するために、急いで担保を現金化しなければならないからです。
担保を現金化する人(ソーシャルレンディング事業者):
早く現金化したい。
担保物件を買う人(どこかの会社):
急いで買う必要はない。良い担保なら買っても良い。
この状況ですので、高値で売れると考えるのは難しいでしょう。よって、担保評価額よりも十分に低い金額で貸していることが重要です。
Funds(ファンズ)とは、業者の名前です。
ソーシャルレンディングは、だれが資金を借りているのか分からない仕組みになっています。Fundsを使うと、だれが借りているのか、おおよそ分かります。
例えば、Fundsの募集案件第1号の名前は、「アイフルビジネスローンファンド#1」です。名前を見るだけで、だれがお金を借りているのか、おおよそ分かります。
誰が借りているのかが分かれば、貸付資金を返済してくれるかどうか、検討可能です。大損回避に役立ちます。
Fundsの仕組みにつきましては、別記事「Funds-ソーシャルレンディングのトラブルを改善する投資法」でご確認ください。
不動産クラウドファンディングは、ソーシャルレンディングとは異なる仕組みです。不動産投資です。そして、大損を回避する仕組みが秀逸です。
大損回避に役立つ特徴を、確認しましょう。
特徴1:物件詳細が公開される
どの住所にあるか、築何年か、木造かRCか、などといった基礎的事項に加え、極めて多くの情報が公開されています。
特に、CREAL(クリアル)という業者の情報公開レベルが高いです。
また、情報の公開レベルが高いだけでなく、動画などで分かりやすく紹介されているのも特徴です。細かい数字で専門家が分かるような書き方でなく、一般投資家にも分かりやすいように工夫されています。
特徴2:優先出資
私たち投資家は、投資対象の不動産に投資します。そして、CREALも、同じ案件に投資します。
この資金ですが、優先順位があります。私たち個人投資家が優先出資で、CREALは劣後出資です。すなわち、利益配分は私たちが優先です。私たちへの分配が終了して、なお分配資金が残っている場合に、CREALが収入を得ます。
また、不動産の売却損が出てしまう場合は、CREALが先に損失を負担します。CREALの出資額を超える損が出た場合に初めて、私たちの資金が傷つくという仕組みです。
すなわち、CREAL自身が儲けようと思えば、最初に私たちに儲けてもらう必要があります。
CREALは、優良案件を求めて頑張ってくれることでしょう。
この優先出資の仕組みは、大損回避のためにとても有力です。CREALの特徴につきましては、別記事「CREAL(クリアル)の特徴-不動産に特化したクラウドファンディング」でご確認ください。
以上、大損になるパターンと、それを回避する方法を確認しました。
投資ですから、常に利益と損失が隣り合わせです。しかし、大損回避方法を知っておくと、投資の成功者に近づけるでしょう。