購入型クラウドファンディングとは-支援者と事業者のメリット

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購入型クラウドファンディングとは、事業をしたい誰かがいて、その人に資金支援することです。そして、事業が成功すれば、その事業に関連するモノやサービスを受け取ることができます。

具体的な何かをもらえるのが、寄付型クラウドファンディングとの違いです。

購入型クラウドファンディング:
・支援したい事業に対して、資金を提供する
・見返りとして、モノやサービスを受け取る

寄付型クラウドファンディング:
・支援したい事業に対して、資金を提供する
・見返りを求めない(寄付先によっては、寄付控除があります)

購入型クラウドファンディングは、事業を始めたい人にとってメリットが大きいです。資金提供者側のメリットとあわせて考察しましょう。

事業実施者にとってのメリット

事業を始めたい人にとって、購入型クラウドファンディングはメリットがたくさんあります。

メリット1:返済不要の資金集め

事業を始めるにあたって、お金が必要です。銀行から借りるにしても、親類から借りるにしても、返済が前提になるでしょう。借りたものは返します。

銀行から借りる場合は、利子も付けて返すでしょう。そして、返済は、満期が来たら元本を返すのでなく、元本も含めて毎月一定額を返済する例が大半のはずです。

この場合、事業はまだ立ち上げ段階であり収入がないのに、返済義務が生じることになります。すなわち、借りた資金の一部は使えない(返済に充てざるを得ない)ので、とても厳しいです。

こんな状況なのに、事業は成功するかどうか、事前に分かりません。事業を始めるにあたって、事業そのものと並んで資金繰りが大変な問題です。

資金繰りが心配で事業に集中できず、結果として事業が失敗するとしたら、残念なことです。

しかし、購入型クラウドファンディングならば、資金返済不要です。資金返済に使うべき時間と能力を、事業に振り向けることができます。不安も軽減できますから、事業の成功確率が上がると期待できます。

メリット2:宣伝

購入型クラウドファンディングで、資金集めの宣伝をします。この宣伝は、資金集めと顧客集めの2つの効果を持っています。

銀行で借りる場合、銀行に対して、借りるための宣伝をします。そして、商品等を買ってもらうために、一般向けに別の宣伝をします。すなわち、2種類の全く異なる内容で、宣伝しなければなりません。事業遂行能力に加えて、プロモーション能力が必要です。

購入型クラウドファンディングでも、プロモーション能力は必要です。しかし、資金集めの宣伝が同時に事業の宣伝になります。

また、購入型クラウドファンディングを実施する際、クラウドファンディングの総合サイトで実行すれば、そのサイト運営者の支援を受けられます。

購入型クラウドファンディングは、自分で何度も繰り返す性質のものではありません。よって、知識も経験も得るのは大変です。しかし、クラウドファンディングの総合サイトから知識と経験を分けてもらえるのは、メリットが大きいです。

そこで浮いた時間と精神力を、事業本体に向けることができます。

メリット3:フィードバック

何か、新しい店をオープンしたとしましょう。最初、物珍しさからお客さんが来てくれます。しかし、繰り返し利用してくれる人は、そのうち何割いるでしょうか。

繰り返し使いたいと思えなかった理由が分かれば、対応できます。しかし、だれも正直に教えてくれないでしょう。アンケートをとっても、どこまで有効なデータを得られるか分かりません。

残ってくれたお客さんから聞いたり、試行錯誤したりしながら、良かった点や良くなかった点を探していきます。

一方、購入型クラウドファンディングで資金提供してくれた人は、事業の応援者です。金銭的な見返りなしで支援してあげる、という人々ですから、とても頼りになります。

よって、何か良くないと思う点を教えてほしいと伝えれば、喜んで情報提供してくれるでしょう。

この情報は、資金と同じくらい重要かもしれません。

メリット4:クラウドファンディング募集サイトからの支援

メリット2でチラリと書いた点です。購入型クラウドファンディングで資金を集める場合、自分でサイトを作っても成功しないでしょう。信用がないからです。信用は簡単に得られません。

そこで、クラウドファンディングの総合サイトに、自分の情報を掲載してもらいます。

そのサイトは、数多くの事例を見ています。成功したものもあれば、失敗したものもあるでしょう。その経験を教えてもらい、自分の事業に反映できます。

自分で試行錯誤しなくて良いので、時間の節約になります。

なお、総合サイトを使うには、経費が必要なことが一般的です。しかし、クラウドファンディングに成功したら支払えばOKという場合もあります(資金が集まらなければ、支払い不要です)。

すなわち、情報をたくさんもらい、費用はクラウドファンディングで集めた資金から出します。

自己負担なしです。

以上の通り考えると、事業を立ち上げようという場合、購入型クラウドファンディングを検討しない理由はないように見えます。

自己資金が既にあって、これ以上資金を集める必要がないという場合でも、あえて購入型クラウドファンディングを実行する価値がありそうです。お金に換えられない経験や支援者を得るチャンスです。

資金提供者にとってのメリット

購入型クラウドファンディングは、資金提供者にとってもメリットがあります。

メリット1:今までなかったものが欲しい

あるものが欲しいけれど、それはどこにもないようだ…という場合があるかもしれません。しかし、自分で作るほど気合が入っているわけではありません。

そんな時、まさにこれが欲しかったんだ!というモノやサービスを作るためのクラウドファンディングがあったら、どうでしょうか。資金支援したくなるかもしれません。

と言いますのは、購入型クラウドファンディングですから、資金支援すれば見返りとして、その事業で作られるモノやサービスをもらえるからです。

資金支援しなくて、結果として十分な資金が集まらなければ、クラウドファンディングは失敗になります。すなわち、事業は始まらないかもしれません。こうなると、資金支援しないのはもったいないかもしれません。

メリット2:特別な品が欲しい

また、購入型クラウドファンディングに参加してくれた人限定で、特別な見返りをもらえる場合もあります。これが欲しい場合、クラウドファンディングに参加する価値があります。

メリット3:満足感

さらに、クラウドファンディングに参加すると、事業実施者との距離が近くなります。すなわち、自分の声が事業実施者に届く可能性があります。単に資金支援にとどまらず、一緒に事業を作っていくという体験ができるかもしれません。

これは、何かもらえるという性質ではありませんが、満足感を得られるでしょう。

購入型クラウドファンディングのリスク

以上、メリットばかり書いてきました。しかし、リスクもあります。もっとも分かりやすいリスクは、事業が失敗することでしょう。この場合、資金を提供した人には、何も戻ってこないかもしれません。

これがリスクですが、そもそも、このクラウドファンディングは、資金提供者は金銭的な見返りを求めていません。

そこで、損得勘定抜きで、特定のビジネスを支援したいから、特定の人を支援したいから、という理由で資金提供できるでしょう。

そして、成功したら、事業実施者と一緒に喜びましょう。

次のページでは、株式投資型クラウドファンディングについて、特徴やメリットなどを確認します。

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