クラウドファンディングには様々な種類がありますが、不動産投資に特化したクラウドファンディングをご案内します。
「不動産投資はしたいけれど、不動産経営は嫌だ」という場合にピッタリです。
不動産クラウドファンディングとは、事業者(運営者)が一般の投資家から資金を集め、それを使って不動産を取得・運営します。そして、そこから得られる利益を投資家に分配するという仕組みです。
イメージ図は、下の通りです。
この絵を見ていただくと、ソーシャルレンディングで不動産事業に投資する場合と比べて、区別しづらいかもしれません。そこで、ソーシャルレンディングの仕組みと比較してみましょう。
下の図は、ソーシャルレンディングで不動産事業に投資する場合を描いたものです。
ソーシャルレンディングの場合、主に不動産事業に投資すると言っても、その不動産を持っている人(または法人)がお金を借りるという仕組みです。
よって、不動産事業をする人がお金を借りて、利子をつけて返済という流れになります。また、ソーシャルレンディングにおいては、借り手の氏名等は非公開です。これは法律や監督官庁の意向によるもので、業者にはどうしようもありません。
よって、どの不動産に対して投資しているのか、投資家は知ることができません。
一方、不動産投資クラウドファンディングは、仕組みが大きく異なります。ソーシャルレンディングとの比較を念頭に置きながら、異なる点と同じ点を確認しましょう。
不動産クラウドファンディングでは、資金を集めた事業者が、特定の不動産を直接購入し、運営します。また、売却もします。よって、お金の貸し借りが発生しません。
ソーシャルレンディングと比べて、当事者が1つ減ったというイメージになります。 お金の貸し借りではありませんので、どの不動産を取得して運営するのか、明確に公表されます。これは大きなメリットです。
自分のお金を投資するにあたって、どこにお金が流れているか分からないというのは、なんとも不安なものです。しかし、不動産クラウドファンディングでは、物件所在地が公開されます。
すなわち、築年数や用途、菅理状態等の情報を調べることも可能です。
不動産投資クラウドファンディングは、ソーシャルレンディングよりも、実際の不動産投資に近いと言えるでしょう。
匿名組合を組んで投資するという点は、ソーシャルレンディングと同じです。匿名組合につきましては、別記事「ソーシャルレンディングとは」の見出し「匿名組合とは」にある通りですが、簡潔に確認しますと、以下の通りです。
私たち投資家は、事業者にお金を出しますが・・・
要するに、お金を出すけれど、あとは全部よろしくね!ということです。全部よろしくね!だから、事業者の業務に対して意見することはできません。一方で、配当等を請求する権利を持ちます。
また、事業者が業務を実行するにあたり、お金を出した人の氏名等は公開されません。これも重要なポイントです。
実際の不動産投資、すなわち、自分で土地家屋を買って誰かに貸し、最終的に売却する流れを考えましょう。大まかに言って、以下の通りです。
物件探しや購入は、楽しいでしょう。売却も、高く売れればうれしいです。しかし、正直なところ、入居者管理や修繕は大変ですし、避けたいでしょう。
不動産投資クラウドファンディングは、上の一連の流れから、入居者管理や修繕を除いたものと言えます。
例えば、REIT(不動産投資信託)の場合、REITが持っている不動産一覧を見ることはできますが、売買する不動産を自分で選ぶことはできません。
また、不動産事業を対象にしたソーシャルレンディングの場合は、そもそもどの不動産が対象になっているのかが分かりません。
不動産投資クラウドファンディングの場合、どの不動産に対して投資するか、自分で選ぶことができます。そして、入居者管理や修繕等は、すべて事業者にお任せです。配当を定期的に受け取ります。
最終的に売却すれば、売却代金を受け取ります。売買に関する契約事務等は、すべて事業者にお任せです。
以上のことから、「不動産にまつわる面倒なことをすべてお任せできる不動産投資」と考えることが可能です。
投資スキーム | 不動産投資クラウドファンディング | REIT | ソーシャルレンディング |
---|---|---|---|
物件選び | 〇 | × | × |
物件確認 | 〇 | 〇 | × |
流動性 | △ | 〇 | × |
流動性とは、簡単に売却できるか?ということです。
REITは、株式と同じイメージで売買可能です。不動産投資クラウドファンディングの場合は、業者によりますが、匿名組合員の間で売買可能です。ソーシャルレンディングの場合は、売却できません。
こうしてみますと、不動産投資クラウドファンディングのメリットが良く分かります。
なお、ソーシャルレンディングに×が並んでしまいましたが、劣っているという意味ではありません。不動産投資という視点で見ているから、このような結果になったにすぎません。
例えば、ソーシャルレンディングならば、配当が年10%を超える案件があります。REITや不動産投資クラウドファンディングでは、その利回り提示は難しいです。
ソーシャルレンディングには、ソーシャルレンディングの良さがあります。それぞれの金融商品の特徴を踏まえて、投資スキームを選択したいです。
次のページでは、ソーシャルレンディングとは何か?仕組みなどを確認します。